仲介役「2人に250万円ずつ渡した」 多額報酬準備か 栃木2遺体

有料記事

遠藤美波 長妻昭明 藤田大道
[PR]

 栃木県那須町の河川敷で4月16日、会社役員夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、仲介役の男が「実行役2人に報酬として250万円ずつ渡した」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。指示役と仲介役の男も事件後、1千万~数百万円ずつ所持しており、警視庁と栃木県警の捜査本部は、多額の報酬を用意して容疑者グループに事件を依頼した人物がいるとみている。

 住居、職業不詳で韓国籍の姜光紀(カングァンギ)(20)と、住居不詳、元俳優の若山耀人(きらと)(20)の両容疑者は4月16日未明から朝までの間に会社役員の宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)=東京都千代田区=の遺体に火を付け、損壊したとして1日に逮捕された。捜査本部は2人が実行役とみる。

 捜査本部は4月29日に指示役の佐々木光容疑者(28)を、21日に仲介役で建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)を死体損壊容疑で逮捕した。捜査関係者によると、平山容疑者は、姜、若山両容疑者に「報酬として250万円ずつ渡した」と供述。姜容疑者は4月30日午後に神奈川県大和市のホテルで、若山容疑者は30日夜に千葉市若葉区の知人宅でそれぞれ確保されたが、その前に姜、若山両容疑者が大阪で一緒にいたことも確認された。2人は逮捕時、多額の現金は持っておらず、捜査本部は2人が大阪で報酬の大半を使ったとみている。

 指示役の佐々木容疑者は「ある人物から死体の処理を依頼された。その指示を(平山容疑者に)下ろした」と供述。「品川区居酒屋で平山容疑者に報酬を渡した」と話しているという。事件が発覚した4月16日、佐々木、平山両容疑者は午前3時半ごろ、品川区の居酒屋で会っていたことが防犯カメラ映像などから確認されている。

 平山容疑者は「(佐々木容疑者から)報酬を受け取り、遺体の処理を頼まれ、自分は2人に依頼した」と供述。金は「知人に預けた」と説明し、知人側から現金約1千万円が見つかった。

 佐々木容疑者も4月28日午後に那覇空港で確保された際、現金数百万円を所持していた。捜査本部は、佐々木容疑者が何者かから依頼を受け、計4人が報酬目的で関わったとみている。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)

実行役の20歳、大河ドラマに出演

 栃木県那須町の河川敷で4月…

この記事は有料記事です。残り405文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません