敏感な話題も、ジョークも 開放の象徴だった中国首相会見が消える

有料記事全人代2024

北京=畑宗太郎 斎藤徳彦
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 5日に開幕する中国の全国人民代表大会全人代、国会に相当)で、11日の閉幕後に、定例となっている首相による記者会見が開かれないことになった。4日の前日会見で報道官が明らかにした。中国の政治を対外的に説明する数少ない機会で、開放の姿勢を示してきた象徴的な場が失われることになる。

 「今年は閉幕後の首相会見は開かず、特別な事情がなければ来年以降も行わない」

 報道官がこう述べると、数百人の記者で埋まった会見場は大きくざわついた。理由について報道官は、期間中に外交や経済、民生について記者会見を開くほか、各種の取材機会があると説明した上で、「総合的に考慮した結果」とした。

 中国メディアなどによると、全人代の閉幕後の首相会見は、1988年から断続的に開かれ、93年からは定例化した。

 質問する記者や質問内容の事前のすり合わせなどの制約はあったが、内外の記者が首相に直接質問できる数少ない機会となった。改革開放の時代、世界に開かれた中国を印象づける舞台の一つでもあった。

歴代の首相たちの会見では、政治的に敏感な話題に触れたり、ジョークを言って記者たちをわかせたりしたこともありました。記事後半で詳しく紹介します。

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