【アーカイブ】(地球異変)食われるアマゾン 森つぶし大豆輸出

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中村浩彦 石田博士
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【2007年10月28日朝刊】

 ブラジル・アマゾンの熱帯雨林にまで大豆が迫っている。アマゾン開発に日本が先んじた80年代に比べ、栽培面積は2・4倍、生産量は3・5倍に膨れ上がった。伐採された森林はまず牧草地となり、大豆畑へと姿を変えていく。開発の連鎖だ。食糧問題を抱える中国の輸入増など需要は増える一方。人類はアマゾンを食べ尽くしてしまうのか。

 朝日新聞は2007年から長期企画記事「地球異変」で、地球温暖化問題の現場をルポと写真で追いかけ続けてきました。アーカイブで振り返ります。 (※記事は、紙面掲載日時点の内容です)

 ブラジル最大の穀倉地帯マトグロッソ州。熱帯雨林地域にあたるイタウバも、赤茶けた大豆畑が広がっていた。近くの町でレンタカー会社を営むジョゼ・フランシスケッチさん(39)は「2、3年前まで製材業が盛んだったのに。あっという間に大豆畑に変わった」と目を丸くする。

 ブラジルの大豆栽培は低木が生い茂るセラード地帯を中心に80年ごろから急激に拡大。日本も資金援助や農業専門家を派遣、開発を後押しした。

 現在の大豆生産量は年間約6千万トンに上り、世界第2位。この10年で2倍以上になった。食用のほか、家畜の飼料として欧州や中国、日本などに輸出されている。とくに、かつて大豆の輸出国だった中国が90年代から輸入国に転換。今ではブラジル大豆の約20%が中国に向かっている。

 大豆畑の北には牧場が広がる…

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