「国防省がプーチン氏だました」プリゴジン氏、政権主張を真っ向否定
ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、プリゴジン氏は23日にSNSに投稿した動画で、「ウクライナとNATO(北大西洋条約機構)はロシアを攻撃しようとしていなかった」「ロシア国防省がプーチン大統領をだました」などと持論を展開した。ウクライナ侵攻を特別軍事作戦と位置づけ、西側とウクライナが仕掛けた戦争に対する防衛行動とするプーチン政権の主張を真っ向から否定した形だ。
プーチン氏は侵攻の根拠の一つとして、2014年から紛争が起こっていたウクライナ東部ドンバス地方で、ウクライナがロシア系住民を抑圧したほか、米欧の支援を得てロシア国内への攻撃を準備していたと、一方的に主張している。
これに対し、プリゴジン氏は、ドンバス地方ではウクライナから「非常識な侵略」はなかったとの認識を示した。さらに、ロシア国防省が偽の情報でプーチン氏と国民を欺き、侵攻に踏み切らせたと主張した。侵攻はロシアのオリガルヒ(新興財閥)の利益のためだったとも批判した。
また、ウクライナが同国南部などで始めた反転攻勢をめぐり、「ウクライナ軍はロシア軍を押しており、我々は血まみれになっている」と述べた。反転攻勢をめぐってはプーチン氏が21日、インタビューでウクライナ軍が劣勢にあると強調したばかり。プーチン氏のメンツをつぶした格好だ。
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