4月の消費者物価指数、2%超上昇 増税のぞき13年半ぶりの伸び率

北川慧一
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 総務省が20日発表した4月の消費者物価指数(2020年=100)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞいた総合指数が101・4で、前年同月より2・1%上がった。エネルギーや食品関連の値上がりが大きく、2%を超える上昇率は消費増税の影響があった期間を除けば08年9月以来となる。上昇は8カ月連続で、日本銀行が物価安定目標として掲げる2%の水準を上回った。

 価格が前年から大きくあがったのは、エネルギー関連の項目。原油価格の高騰を受け、電気代が21・0%、ガス代が17・5%、ガソリン代が15・7%上がるなどエネルギー全体では19・1%上昇した。円安が急激に進んだ影響で原材料費も高騰し、調理カレーが16・5%、食用油が36・5%上がるなど生鮮食品をのぞく食料品も2・6%上昇している。

 消費者の生活実感に近いとされる生鮮食品も含めた総合指数は、2・5%上昇した。魚介類や野菜が幅広く値上がりするなど生鮮食品全体で12・2%上がっており、なかでもタマネギ(98・2%)、リンゴ(35・9%)、マグロ(17・2%)などの品目で上昇幅が大きかった。

 物価上昇率が3月の0・8%から大きく伸びたのは、通信費の影響だ。昨春に大手携帯電話会社が相次いで格安プランを導入したことで、通信費は3月には前年同月比で5割超下落していた。4月以降はこの影響が段階的に縮小し、他の物価上昇を打ち消していた効果が薄れていく。

 2%を超える物価上昇率は当面続くと見る専門家もおり、賃上げが伴わなければコロナ禍からの回復途上にある個人消費が冷え込むことも懸念される。(北川慧一)

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