亡き愛猫が生んだ「ひげケース」 闘病5年、天まで届け

有料記事いつも、どこかで

若松真平
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 300円アイテムを中心に販売する「3COINS(スリーコインズ)」。

 その店頭で、売り切れが相次いでいる商品がある。

 抜け落ちた猫のひげをしまっておくための「ひげケース」(税込み330円)だ。

 猫と一緒に暮らしている人たちは、ひげを大事にとっておく人も多い。

 亡き愛猫のひげを、お守り代わりに持ち歩いている人もいる。

 そんな需要に応える商品を企画したのが、3COINSを運営する株式会社パルの小早川沙織さん(31)だ。

 ひげケースが世に出ることになったきっかけは、今は亡き「クルーシー」の存在だ。

 閉店する猫カフェから引き取り、その帰り道で病気が判明した猫。

 獣医師から「5年も持たない」と言われた日から、5年以上生きて、10歳3カ月で逝ってしまった猫だ。

出会いは2014年春

 クルーシーと初めて会ったのは2014年春。大学を卒業して、3COINSでアルバイトをしていた時だ。

 ひとり暮らしをしていた部屋がペット可の物件だったので、飼ったことがない猫を迎え入れたいと思っていた。

 ペットショップで買おうとは思えず、ネットで保護猫を譲り受けようと探していたら、閉店する予定の猫カフェを紹介された。

 当時住んでいた横浜から電車で3駅行ったところにお店があり、中に入ると10畳ぐらいの部屋に30匹ほどの猫がいた。

 入った瞬間、なぜか「この子だ」と思った猫がいた。それがクルーシーだ。

 近づいて頭をなでようとしたら、手をひっかかれてしまった。

 5歳の気性が荒いオスだったが、「猫ってこんなもんかな」と思い、迷わず連れて帰った。

動物病院を探して

 異変に気づいたのは、帰りの電車の中だった。

 まるで犬のようにハァハァと口で荒い呼吸をしていた。

 電車を降りてからも治まらな…

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