猛暑のミャンマー中部、行き場失う被災者 支援滞る被災地の実態は

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マンダレー=笠原真 バンコク=石原孝
【動画】ミャンマー中部マンダレーの被災状況=笠原真撮影

 先月28日に地震に襲われたミャンマーで、震災による死者が2719人になったと、国軍が1日明らかにした。生き延びた被災者も多くが行き場を失い、屋外での生活を強いられている。支援物資が限られる中、人々は助け合いながら過ごすが、先の見通しは立ちそうにない。

 多くの建物が崩壊するなど甚大な被害に遭ったミャンマー中部の古都マンダレー。日中の気温が40度前後になるなか、中心部にある王宮の外周は、シートに座りこむ被災者であふれていた。中部では3~5月は夏にあたる。猛暑を日陰でやり過ごすしかない。

 ティッダーモーさん(39)は地震当日の夜、衣類など最低限の物資を持って、家族4人で避難してきた。自宅がある6階建て公営住宅は揺れで隣の建物に寄りかかるように傾いた。「倒壊していたら死んでいた」

 日本のような一時避難所はなく、外で暮らすしかない。「子どもたちの体調が心配だ」と言う。トイレや水浴び施設は付近の寺院などで借りられるが、地面は硬いうえ夜も蒸し暑く、寝不足が続く。長男チョーコーモー君(12)は「道で寝るのはつらい」と疲れた表情だ。

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この記事を書いた人
笠原真
ヤンゴン支局長兼アジア総局
専門・関心分野
紛争、難民、格差
石原孝
ニューデリー支局長|南アジア担当特派員
専門・関心分野
アジアやアフリカの新興国・途上国の情勢
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