「金持ちの病気で貧者が殺される」 感染拡大国で批判

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サンパウロ=岡田玄
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 金持ちが持ち込んだ病気で貧者が殺される――。新型コロナウイルスの感染拡大が勢いを増すブラジルで、こんな批判が起きている。州知事らは感染拡大を防ぐため、外出禁止や商業活動の停止を要請したが、こうした規制は正規の雇用契約なしで働く貧困層を直撃している。

 「雇い主に家に入るなと言われ、仕事がなくなった。私だけではない。ここで暮らす多くの人が同じ目にあっている」。サンパウロのスラム街「ファベーラ」の一つ、エリオポリスに暮らす家政婦のフェルナンダ・ソウザさん(37)は、電話越しに話した。

 新型コロナウイルスの感染が広がり、公立学校の23日からの閉鎖を宣言していたサンパウロ州のドリア知事は、24日から2週間は外出自粛やショッピングセンター、ジムなどの営業停止などを要請。渋滞が日常のサンパウロは現在、車は数えるほどで、歩く人もわずかだ。

 影響をもろに受けたのがファベーラに暮らす人々だ。正規の契約書もなく、日払いの家政婦や掃除人として働いたり、路上で物売りなどをしたりして暮らす人が多い。「地区では収入を絶たれ、食うに困る人も増えてきている」とソウザさんは語る。

 ブラジルで最初の感染が確認…

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この記事を書いた人
岡田玄
東京社会部
専門・関心分野
中南米、沖縄、移民、民主主義、脱植民地主義