(おすすめ)詩人あり、廃虚からの長き旅路

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 その日、千葉県の市川国府台(こうのだい)の連隊に所属していた平林敏彦は、兵舎の小学校で玉音放送を聞く。軍隊は「狂気の世界」、隠していた詩集や創作ノートは没収され、「歯が折れ、血を吐くようなリンチ」を上官から繰り返し受けていた。敗戦に「ただ詩を書きたい衝動に駆られた」という。

 今年で97歳になる詩…

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