(書評)『カズオ・イシグロと日本』『カズオ・イシグロ 失われたものへの再訪』

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 ■二つの母語持つ「孤児」への道標

 二〇一七年ノーベル文学賞授賞式後の晩餐(ばんさん)会で「ノーベルショウ。その名を私は日本語で初めて耳にした」とイシグロは述べている。「母は私に語りました。ノーベルショウはヘイワを広めるためにつくられたものなのよ」

 日本語は「スコシダケ」しかできず、「英語を使っ…

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