(声)語りつぐ戦争 傷を治した祖母とどくだみ

有料記事

[PR]

 工作講師 千村裕子(東京都 81)

 道端に白い十字を向けて、どくだみの花が満開である。

 幼稚園のころは、まだ戦争の真っ最中であった。まだ夜が明けぬある日のこと、風呂敷に着物を何着か包んで背負った母と家を出た。郊外の知り合いの農家に、食べ物を分けてもらうためだ。母の大切な着物はわずかばかりのサツ…

この記事は有料記事です。残り355文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません