(EYE モニターの目)今月のテーマ:コロナ禍のスポーツ面

EYE モニターの目

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 ■業界の内部事情、伝えて

 普段は注目されないスポーツ界の人たちや、今できることを考えて行動している選手たちを取り上げているのは良いことだ。たとえば、5月11日のメンタルトレーニング指導士の記事では、外部からはわからないような五輪延期の影響について、メンタルヘルスを中心に書かれていた。大きな話題となるような大会がなく、一般の人にスポーツ界の詳しい事情が伝わりにくい今こそ、業界の内側から、それを支える裏方の人や選手のコロナ対応をもっと取り上げてほしい。(佐野智咲 17歳 群馬県)

 ■知恵絞って作っている

 新型コロナ以前より、今のスポーツ面の方が好ましい。プロ野球にもJリーグにもあまり興味がないため、いつもならスポーツ面はほぼ素通りだが、今は苦しみながら知恵を絞って紙面を作っている感じが伝わってきて、読んでみようと思う。「再考2020」は山口香さん、デーブ・スペクターさん、江本節子さんのいずれも読みごたえがあった。スポーツ面が躍動感と記録で埋め尽くされる喜ばしい時が来ても、今のような落ち着いた読み物を中心に据えた紙面を忘れないでほしい。(長谷川智子 53歳 静岡県)

 ■五輪の問題、浮き彫りに

 スポーツを通じ、社会問題を浮き彫りにする記事に期待している。その意味で「再考2020」は非常にタイムリーで興味深い。JOC理事でありながら率直な発言をしている山口香氏の問題提起は核心を突いている。色々な意見を載せて欲しいが、問題は人選だろう。役職に縛られて自由な発言ができていないように感じるJOC山下泰裕会長の本音にも迫って欲しい。同じモスクワ五輪の当事者でも、違うとらえ方をする人もいるだろう。五輪の様々な問題を浮き彫りにして欲しい。(升井洋士 64歳 神奈川県)

 ■今しかできない特集組んで

 コロナ禍の現在、スポーツ面の魅力は半減している。スポーツ面がまるで社会面のようになっているが、もっと工夫できないだろうか。この時期でないと書けないような特集、たとえば「座談会 日本代表ベストメンバーはどうなるか」「若手Jリーガーに聞く Jリーガーにどうやってなったのか」「プロ野球レジェンド選手の少年時代を訪ねて」などはどうだろうか。スポーツ選手が話題の中心となり、明るく前向きで、楽しんで読める記事が見たい。(吉田耕一郎 44歳 神奈川県)

 <新しいスポーツ報道、追求します>

 新型コロナウイルスのニュースを年明けから耳にしていながら、プロ野球のキャンプが始まった2月1日の時点では正直、この状況を想像すらしていませんでした。

 世界中でスポーツが壊滅状態になり、東京五輪パラリンピックは延期。現場を失った記者たちは、選手や関係者に直接会えず、オンラインや電話で取材を続けてきました。

 緊急時にスポーツは無力なのか。いや、私たちにできること、やらなければならないことがあるはずだ。新型コロナと向き合う選手や関係者の様々な思いや試みを伝えたい。この機に改めてスポーツについて考えたい。そんな思いで新しい企画を立ち上げました。

 いまも従来とは違う顔つきのスポーツ面が続いています。好意的にお読みいただけていることをありがたく、うれしく思います。躍動感に欠けるというご指摘もいただきました。もっと工夫できないかと自問しています。

 新型コロナと生きる世界では、スポーツのあり方も今までとは変わってきます。引き続き取材を重ね、知恵を出し合って、新しいスポーツ報道を追求していきたいと考えています。(東京スポーツ部長・宮田喜好)

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています

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