(天声人語)お酒は手酌で

有料記事

 楽しい酒のような、それでいて、どこかさみしげなような。井伏鱒二に、こんな詩がある。〈今宵(こよい)は仲秋明月/初恋を偲(しの)ぶ夜/われら万障くりあはせ/よしの屋で独り酒をのむ〉。友と一緒なのか、あるいは独り酒なのか。不思議な味わいである▼いずれにせよ酒は手酌で飲んでいるのだろうと、勝手に想像する…

この記事は有料記事です。残り478文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

連載天声人語

この連載の一覧を見る