(EYE モニターの目)今月のテーマ:企画「Dear Girls」について

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 ■朝日の現状紹介、よくぞ

 3月8日朝刊の「責任あるメディアとして 朝日新聞社の取り組み 新年度に具体的目標」を読み、「やった」と思った。記憶にある限り、男女格差に関して、朝日新聞が自社の現状について触れたことはなかったのではないか。ランキングで121位の日本だが、この問題をひとごととして書いている限り、それは「感想文」でしかない。それだけに、会社の取り組みを書いたことは評価できる。女性を増やすことは働き方改革とセットなので、朝日新聞にぜひ取り組んでほしい。(吉木千穂 71歳 埼玉県)

 ■消極的な女性も取材を

 男女雇用機会均等法の施行後も日本の男女平等はまだまだ進まないが、今の若い女性はどのくらい不公平感を感じているのだろうか。私自身、女性であることを理由に、進学に悩んだこともあったし、昇給しなかったりして悔しい思いをしたことも少なくない。だが、今はパートの主婦で夫に頼って暮らしている。男性と同じように仕事をしたい女性も多いだろうが、消極的な女性も比較的多いのではないかと感じる。後者の女性のことも取材してもらって、現状を知りたいと思った。(練尾富士美 52歳 岡山県)

 ■自分はどう見ていたか

 3月12日のスポーツ面「見た目 注目される女子選手」は、メディアによる女性アスリートの取り上げ方に疑問を投げかける記事だった。「女性の『強さ』を取り上げることに無意識の抵抗感があるのでは」といった鋭い指摘もあった。果たして、自分は女性アスリートをどのような目で見ていただろうかと考えさせられた。記事は終始、女性の目線で描かれている気がしたが、男性記者が書いたなら「無意識の抵抗感」という指摘をどう受け止めただろうか。興味がある。(相羽祇亮 25歳 静岡県)

 ■加害者の声、取り上げて

 女性が常々感じているが、問題視されなかったことを可視化しているいい企画だと思う。フラワーデモや「#MeToo」運動にあらわれているように、世界的に性被害を訴える女性への理解が広まりつつある。被害者の声はだんだん伝わるようになってきたが、加害者の声はなかなか聞こえてこない。性犯罪、痴漢、パワハラに関して、加害者たちの思考はどうなっているのだろうか。被害者を生まないためにどういうことが必要なのか。今後の記事で取り上げてほしい。(山田まき 46歳 愛媛県)

 <目標達成へ、皆さんと考えたい>

 121位? 3月8日の国際女性デーに向けて、男女格差のない社会をめざす企画「DearGirls」の案を考えているころでした。昨年末、世界経済フォーラムが発表した男女格差指数で、日本は世界153カ国中121位という過去最低の順位に沈んでいました。

 ショックでした。毎年発表されるランキングで、先進国では低い順位をなんとかしたいと2017年に始まった企画で、医学部受験での女性差別や無意識の偏見についても指摘してきました。その間、ニュージーランドやアイスランドでは女性の首相も登場しているというのに。

 足元をみれば朝日新聞社の管理職の女性比率は12%。専門職を除いた部長職以上で6.8%。最近こそ女性の新入社員は4割近くになりましたが、誇れる数字ではない。若い頃からキャリアが意識できないと、管理職は育ちません。

 新聞社、特に編集現場ではこれまでと同じ働き方をいつまで標準にするのか。「朝日新聞社ジェンダー平等宣言」では、記事や事業での取材対象やその担い手に多様性が必要との視点で数値目標を打ち出しました。読者の皆さんとともに考えていきたいと思っています。(藤原泰子・前東京本社編集局長補佐)

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています

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