トランプ政権がエリート大に圧力強化 ハーバード大の助成金「凍結」
トランプ米政権が、多くのエリートが輩出している有名大学を左派の牙城(がじょう)と決めつけ、助成金を武器に露骨な圧力をかけている。14日に政権の「改革」要求を拒否すると表明したハーバード大に対し、政権は同日、助成金を凍結した。一方、政権の意向に従ったコロンビア大のような例も出ており、米国の大学教育や学問の自由が深刻な脅威にさらされているとの危機感が広がっている。
第2次トランプ政権は、イスラエルへの抗議デモなどを理由に、「反ユダヤ主義」や「行き過ぎたDEI(多様性・公平性・包摂性)」があるなどとして、エリート大学への攻撃を強めてきた。米国で学歴は、共和党と民主党の支持者を分断する主要な対立軸だ。今回の政権の動きの背景にも、トランプ大統領や支持層が、大学で急進的な左傾化が進んでいるとみて反感を強めている事情がある。
ハーバード大「乗っ取り、あってはならない」
政権は3月末、ハーバード大について「反ユダヤ主義的な差別」への取り組みが不十分だと主張。計約90億ドル(約1・3兆円)に上る助成金や契約の見直し方針を表明した。4月11日の書簡では、人種などを考慮しない「実力主義」による職員採用・入学者選考▽「米国の価値観に敵対的」な留学生への対策▽反ユダヤ主義を防ぐ監査の導入▽DEIの取り組みの中止――などを求めていた。
これに対し、ハーバード大は差別を防ぐ対策に取り組んできたとし「大学の自由を侵害する要求は遺憾だ」と反論。「ハーバードを含むいかなる私立大学も、連邦政府に乗っ取られることがあってはならない」と述べ、政権の要求を拒んだ。
政権はこの回答を受け、計約…