本屋大賞に阿部暁子さんの「カフネ」 料理と再生のストーリー

堀越理菜
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 全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ第22回本屋大賞が9日に発表され、阿部暁子さん(39)の「カフネ」(講談社)に決まった。

 受賞作は、主人公の野宮薫子が、急死した弟にかつて恋人と紹介された女性と再会し、料理を通じて心を通わせていく日々を描く。

 阿部さんは、1985年生まれ、岩手県花巻市出身、在住。2008年、少女向け小説レーベル「コバルト」が主催するロマン大賞を受賞し、デビューした。

 今回の本屋大賞は23年12月~24年11月に刊行された日本の小説が対象。全国の書店員の投票で大賞が決まった。

 翻訳小説部門は「フォース・ウィング―第四騎竜団の戦姫―」(レベッカ・ヤロス著、原島文世訳、早川書房)に。23年11月以前に刊行された作品を対象とする発掘部門は「ないもの、あります」(クラフト・エヴィング商會著、ちくま文庫)が選ばれた。

今回の本屋大賞トップ10

1 阿部暁子「カフネ」(講談社)

2 早見和真「アルプス席の母」(小学館)

3 野崎まど「小説」(講談社)

4 山口未桜「禁忌の子」(東京創元社)

5 青山美智子「人魚が逃げた」(PHP研究所)

6 恩田陸「spring」(筑摩書房)

7 一穂ミチ「恋とか愛とかやさしさなら」(小学館)

8 朝井リョウ「生殖記」(小学館)

9 金子玲介「死んだ山田と教室」(講談社)

10 宮島未奈「成瀬は信じた道をいく」(新潮社)

【解説人語】本屋大賞、今年は阿部暁子さん「カフネ」 賞は22年前、「打倒直木賞」で始まった

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