トランプ関税率、もしや計算ミス? 「実際は4分の1」と研究所指摘

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サンフランシスコ=奈良部健
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 トランプ米政権が各国に課した「相互関税」の税率を算定する過程で、計算を誤った可能性が指摘されている。米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」が関税率を計算し直したところ、実際の税率は発表された数字の4分の1程度だった。日本には24%の税率が課されたが、10%が正しい数値になるという。

 トランプ氏が2日発表した相互関税の税率の算出は、分子に輸出額から輸入額を引いた数字を、分母に二つの指数と輸入額をかけ合わせた数字を置いていた。

 同研究所が「誤り」だとしたのは、分母にあるこの指数だ。二つの指数のうち、関税を課した場合の輸入価格の変動を表す数値を政権は「0.25」としていた。ところが、代入すべき正しい数値は「0.945」だと同研究所は指摘する。輸入価格ではなく、誤って小売価格を元にしたとみられるという。

 同研究所によると、修正すれ…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2025年4月9日9時6分 投稿
    【視点】

    指摘はその通りなのだが、「だからどうした」とトランプ氏(とその側近)は答えるかもしれない。 私見では、これは世界の複雑さに、人びとがついていきにくくなったことの反映である。 人間は協力して社会を築く動物である。協力の範囲が広がれば広がる

    …続きを読む