だぶつく防衛予算「使わないと」 川重の裏金、国税が暴いた「鉱脈」

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市田隆 三浦淳 土居貴輝
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 海上自衛隊の潜水艦修理をめぐる裏金接待問題で、川崎重工業への税務調査が終結した。裏金による所得隠しは6年間で約13億円に上り、その他の申告漏れを含めて約10億円を追徴課税されたとみられる。背景に浮かぶのは、多額の裏金作りができるほど防衛予算がだぶついていた実態だ。

 裏金作りに協力してきた下請け会社の社長は、生々しいやりとりを覚えている。

 指を2本立てて、川重の担当者が言う。

 「これだけ使わないかん」

 社長が「2千万円ですか?」と尋ねると、担当者は答えた。

 「ゼロが1個足らん」

 社長はこう振り返る。

 「使わないと翌年の予算が減らされる、裏金を作ってでも使いきらんとあかん、ということだったのではないか」

 癒着はなぜ暴かれたのか。関係者によると、ある税務署による調査がきっかけだった。

 個人事業主への調査の一環で…

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この記事を書いた人
市田隆
大阪社会部|大阪国税局担当
専門・関心分野
調査報道、経済犯罪、文学
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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2025年4月8日6時44分 投稿
    【視点】

    防衛費が「だぶついて」おり、無理やり使ったように見せるために川崎重工業に水増しで支払われ、1社で10億円を超える所得隠しと裏金作りが行われており、それが自衛隊に物品や飲食で還元されていた。吐き気がするような自衛隊と企業の癒着である。 爆上が

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