南北戦争の「再現者」を訪ねて 米南部と日本、「敗れし者」の生き方

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青山直篤
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連載コラム「紐育一灯」 ニューヨーク支局長・青山直篤

このコラムは…

戦後の国際秩序が崩れ、新たな世界史が動き出しています。我々はどこへ行くのか。手元の小さな明かりを頼りに、遠くを見据え、日本や世界の地平を探りたい――。そんな思いで、米国からの報告をお届けします。

 米深南部(ディープサウス)の草原に砲声が響く。「南軍兵士」が突進し、敵は総崩れだ。私は夢中でカメラのシャッターを切った。

 米国には南北戦争を再現することに心血を注ぐ人々がいる。2月、ミシシッピ州を訪れたのは、その「再現者」たちを見てみたかったからだ。さらにその目で、日本について捉え直してみたかった。

ウェイ・オブ・ライフとは

 南北戦争と第2次世界大戦の敗者として、南部と日本に相似を見いだしたのが評論家の江藤淳だ。1960年代の米国で、南北対立の根源に「ひとつのウェイ・オヴ・ライフが、力によって他のウェイ・オヴ・ライフを征服」しようとする構造があると喝破した(「アメリカと私」)。

 ウェイ・オブ・ライフとは…

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この記事を書いた人
青山直篤
ニューヨーク支局長
専門・関心分野
米国、国際政治・経済、日米関係、近代史