家計簿に映る「どう生きたいか」 工夫で前を向く物価高3年目の春
記者コラム 「多事奏論」 くらし報道部記者・長沢美津子
これはうれしくない、3年目の春が来た。身近な食べものの高騰が始まって、それだけの時間が過ぎている。千日の行なら徳が積めても、「値上げラッシュ」の千日でストレスだけ積もるのは、くやしいではないか。
食のネットワークというと大げさだけれど、買うことに加えて、自分たちで作ったり、だれかにもらったりの点と点をつなげ、その人の食生活はある。食品の質や価格は必須だが、自分の場合は季節の味のうるおいや、顔のわかる相手の安心感も、網目を強くしていると思う。
そこに物価高。読者には消費者も生産者の方もいる。おたよりに「買い控えていると、食文化に影響するのでは」、「米が高い高いと言われ、農家の自分がたたかれているようでつらい」と、ハッとする視点をいただく。ネットワークがきしむ音が聞こえるようだ。
どう向き合うか。歴史に聞こ…
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- 【視点】
記事のなかの「記録することは日々を直視すること。社会参加だった」という一文に感銘を受けました。ふと、原発事故後に、自分たちが食べるものの線量を計測し続けたこともまた、日々を直視し、社会へと参加することだったのかもしれないと思い出されました。
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