ICCで進む「麻薬戦争」の裁判 フィリピンを越えて広がる対立

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ハーグ=森岡みづほ マニラ=大部俊哉
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 フィリピンドゥテルテ前大統領に対する裁判が、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)で動き始めた。異例のICCへの引き渡しをめぐり、支持派と反対派の対立が広がる中、裁判で審理される「麻薬戦争」の遺族は、静かに審判を待つ。

 「フィリピン人に正義を!」。初回の審理当日の14日昼過ぎ、ハーグのICC前には逮捕を支持する約20人が集まり、犠牲者の写真や「責任を問う」と書かれた紙を掲げた。

 一方、ドゥテルテ氏の支持者も次々と詰めかけ、釈放を求めた。オランダに留学中のアルビン・デンさん(32)は「ドゥテルテ氏はフィリピンを安全にした」と主張。フィリピンがICC加盟国でないことから、「ICCには管轄権がない。仮に罪があっても、フィリピンで裁けばいい」と憤った。

 ドゥテルテ氏は大統領や南部…

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この記事を書いた人
森岡みづほ
ヨーロッパ総局|北欧・NATO・ICC・ICJ・国連担当
専門・関心分野
人の暮らし、歴史、防衛
大部俊哉
マニラ支局長|東南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
安全保障、国際政治、貧困問題