東電、経営再建計画の抜本見直し先送り 原発再稼働の遅れで
三浦惇平
東京電力ホールディングスと大株主の原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)は17日、年度内の改定をめざしていた経営再建計画の策定を先送りすると発表した。福島第一原発事故の処理費を賄うための「ロードマップ」にあたるものだが、収益の柱に据える柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が不確実なため。事業戦略を練り直した新しい計画は今夏以降につくる。
福島事故の賠償や除染などにかかる費用の見積もりは2023年12月時点で計23.4兆円に達し、21年に定めた前回計画より2兆円近く膨らんだ。原発処理水の海洋放出で水産業者への賠償が増えたことが大きな理由だ。それらの費用の一部は、国が交付国債を発行して肩代わりしており、東電は返済の見通しを示すための計画を改める必要があった。
今回、東電が政府に提出した計画の「修正版」では、交付国債による支援枠を13.5兆円から15.4兆円に増やした。東電の「借金」が実質的に増えることになるが、収益を向上させるための事業戦略の策定までは踏み込めなかった。
というのも、再建計画は柏崎…
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