第6回原発被災者が心を開いてくれた瞬間 精神疾患「特別なことではない」
酒本友紀子
「体はどうですか? ちゃんと食べられてます?」
1月下旬の昼下がり。福島県南相馬市原町区の平屋を「相馬広域こころのケアセンターなごみ」センター長の米倉一磨さん(51)が訪れた。
ここで一人暮らしをする庄司範英さん(60)は前日、病院で栄養失調と診断された。入院を勧められたが断り、家に戻っていた。
米倉さんはレトルトのおかゆと栄養剤を差し入れ、いつものように庄司さんの話にじっくり耳を傾けた。
「今もふと、息子のところに行こうかなと思ってしまう」
庄司さんは長男・黎央(れお)さんのことを口にした。
東京電力福島第一原発事故で…
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- 【提案】
被災地に行ってお話を伺うと、精神的な苦境が未だに続いていることが痛感されます。一方で、心の傷に対して、地域や集団で支え合うような文化が発展していることに、希望を感じる部分もあります。おそらく、「精神疾患は特別なことではないという意識」は、被
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