「一人じゃない」 失業、生活保護…困窮する人を迎える「大人食堂」

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吉村美耶
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 子どもだけでなく、大人にも温かく、栄養のある食事を――。「大人食堂」と銘打ち、困窮する人に無料で食事を提供する取り組みが、最近の物価高を受けて5年ぶりに再開した。「一人じゃない」。訪れる人にそう感じてもらいたいという。

 温かい鶏ガラスープの柔らかな香りが、鼻をくすぐる。2月16日、仙台市青葉区の市民センターであった「大人食堂」。テーブルに様々な国の料理が並び、外国人を含む約50人が食事を受け取り、ほかの人たちと談笑したり、黙々と食事をしたりと、それぞれに時間を過ごしていた。

 その中に、仙台市の30代女性の姿があった。この日、初めて参加した。現在は失業中で、生活保護を受給しており、再び仕事に戻ることを目指しているという。

 日々切り詰めて暮らすという女性。物価高が続き、米が高くて買えないこともある。食事は空腹を満たすためのもので、おいしく食べることや栄養をとることは考えられなかったという。

 大人食堂では運営側が相談も受け付ける。女性もこの日、生活の厳しさと、色眼鏡で見られる苦しさについて相談した。

 働いているときから通っていた病院で「あの人、保護なんだって」と話されているのを耳にした。自分は今までとは変わらないけれど、周囲は変わると感じた。自分が抱えている悩みを隠して生きていくのがつらかったという。「外食は久しぶりで、ちょっと緊張した。誰かとしゃべりながら食べるのは大事なんだなと思った。楽しかった」

 この日、手に取った食事はイ…

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