巨費投入のラピダス、微細化は古びた発想? 識者「プランB検討を」

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大鹿靖明

 政府は国策半導体会社ラピダスに巨額の国費を投入できる法改正を閣議決定した。それに対して30年以上、半導体産業を観察してきた機械振興協会の井上弘基特任研究員は危うさを感じている。最先端の微細化半導体を作ること自体を井上氏は「古い発想」と見る。戦術は変わってきているのに大艦巨砲に固執する発想というのだ。

ラピダス

東哲郎会長(元東京エレクトロン会長)や小池惇義社長ら12人で2022年に設立。IBMが開発した2ナノの最先端半導体のライセンスを受け、北海道千歳市で新鋭工場を建設中。政府は最先端半導体の製造支援としてラピダスに累計9200億円を投じた。さらに巨額資金を支援できるよう法改正も準備している。

 ――ラピダスの最大の不安要因はどこですか。

 いざ生産を始めると、億単位の出荷量になるのに、それを購入するお客さんを十分見込めていない点です。いまの先端半導体の用途はスマートフォンかデータセンターのサーバーコンピューター用のチップですが、ラピダスはそういうお客さんをつかまえていない。ラピダスが大量に作るチップをいったい誰がどれほど買いますか?

 TSMCやサムスン電子はアップルやクアルコム、エヌビディアなど大口客からの発注をあらかじめ見込み、そのうえで顧客と共同歩調をとって先端半導体を開発します。ラピダスとはまったくアプローチが違います。

 少量の試作品を多く集める考…

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この記事を書いた人
大鹿靖明
編集委員
専門・関心分野
経済、歴史、人間、ジャーナリズム、ロック
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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2025年3月13日11時51分 投稿
    【視点】

    「経産省の産業政策は浅薄なところがある」とは時々耳にする。述べられている懸念はまっとうなので、経産省側の応答が聞きたい。

    …続きを読む