演説で「全体主義」「反国家」連発、先鋭化する尹大統領 独自分析
韓国の憲法裁判所は4日、「非常戒厳」を出した尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対し罷免(ひめん)を宣告した。尹氏はなぜ、非常手段に踏み切るに至ったのか。大統領府のホームページに掲載されていた演説や弾劾(だんがい)審判での最終意見陳述の内容を読み解くと、徐々に先鋭化していった流れが見えてくる。
朝日新聞は、尹氏が大統領に当選した2022年3月から今年2月までの643件の演説などを独自に分析した。尹氏の価値観や考え方を示す五つのキーワードが使われた時期と回数を調査した。
尹氏が政治理念を語る際に最も目につくキーワードが「自由民主主義」という言葉だ。当選時からの約3年間で213回にわたって使っている。22年3月10日に当選者として臨んだ記者会見では4回言及し、「自由民主主義を脅かす時代遅れの理念を遠ざけ、国民の常識に基づいて国政を運営する」と述べた。
尹大統領の演説はどのように変化していったのか。記事後半では、専門家の分析を交えながら、インフォグラフィックでわかりやすくお伝えします。
一方、「全体主義」という言…
- 【解説】
すでに指摘されていたことではあるが、ユン大統領は陰謀論にハマっていく人たちのパターンと同じような言動の軌跡をたどっている。大統領就任以来、孤立化する青瓦台を離れ、国防省にオフィスを移して、情報の風通しを良くしたはずだが、それでも結局、権力者
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