石破首相、インドネシア大統領と会談 警備艇の供与など安保連携強化
インドネシア訪問中の石破茂首相は11日、ジャカルタ郊外のボゴール宮殿で、プラボウォ大統領と会談した。中国の南シナ海での軍事活動の活発化を念頭に、両首脳は海洋安全保障分野での連携強化を確認。防衛装備品などを無償提供する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」による高速警備艇の供与や、2021年3月以来となる外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の年内開催で合意した。
日本側には東南アジア諸国連合(ASEAN)の盟主的存在であるインドネシアとの協力を深めることで、中国の海洋進出を牽制(けんせい)する狙いがある。また、トランプ米次期大統領の就任にASEAN各国で懸念もあることから、日本政府側には今回の首相の東南アジア歴訪を通じ、日本が米国とASEANとの「つなぎ役」を果たす思惑もある。首相は会談後の共同記者発表で「インドネシアは我が国と基本的な価値や原則を共有する包括的・戦略的なパートナーだ。長年の貴重な友人であり、緊密に連携していきたい」と強調。プラボウォ氏は「日本はインドネシアにとって大変重要なパートナーだ。今回の訪問は両国の様々な分野での協力関係を強化するコミットメント(約束)を表す証しだ」と語った。
会談では、両国の防衛相が今月7日に海洋安保に関する防衛実務者間の協議の立ち上げで合意したことを歓迎。海上自衛隊護衛艦を基にした艦艇の共同開発も念頭に、防衛装備や技術協力、人材交流を進めていくことを確認した。首相はプラボウォ氏の年内の訪日も要請した。
また、経済分野では、脱炭素化に向けた資源・インフラ協力の推進のほか、経済格差是正のためプラボウォ氏が推進する学校での無料給食制度について日本が人材派遣などで協力することも確認した…
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