第9回二大政党制にもう憧れない 30年間、声を遠ざけた社会と政治のズレ

有料記事問われる民意2024

聞き手・池田伸壹

 「政権交代可能な二大政党制を目指す!」。日本ではもう何十年も前、このスローガンの下にできた選挙制度が今も使われ続けています。

 「この国では、政治と選挙と実際の社会の間で、明らかにズレがある」。日本若者協議会代表理事の室橋祐貴さんは言います。日本に暮らす人々の声や思いが、ちゃんと反映される選挙や政治の仕組みって?

     ◇

 私たちは若者と政治をつなぐために、若者が求める政策や問題意識を各政党に伝える活動をしてきました。しかしジェンダーや気候変動といった将来世代にとって重要な問題はメインの政治課題になりにくい。政治や選挙と実際の社会の間に、大きなズレが生じているのは明白です。

 ズレは多岐にわたりますが、その一つとして選挙制度の問題は、日本社会の約30年にわたる閉塞(へいそく)感につながっていると思います。

 現在の選挙制度は1990年…

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    伊藤昌亮
    (成蹊大学文学部現代社会学科教授)
    2024年10月25日20時49分 投稿
    【視点】

    二大政党制が徹底されると、政治の分極化が進み、社会の分断が生じる危険性があることは、アメリカの状況を見れば明らかです。対話が成り立たなくなり、今や民主主義そのものが脅かされているその現状に鑑みれば、「二大政党制に憧れるのはもうやめましょう」

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