「選べない、書けない」長男も投票できる? 母が葛藤する一票の意味

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良永うめか
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 27日に投開票される衆院選の投票所入場券が届き始めた。ただ、選挙権があっても、障害のため一票を投じることができない人もいる。壁を乗り越える道はあるのか。

 横浜市西区の女性(59)は、重度心身障害がある長男(28)の一票について考え続けている。

 長男は車いすで生活。大きく口を開けて「イエス(Yes)」と表現したり、介助者の手のひらに文字を伝えたりして簡単なコミュニケーションをとることができる。

 だが、長男が選挙権を得て投票所入場券を受け取ったとき、女性は戸惑った。「どうやって投票するんだろう。選べないし、書けないし」。結局、そのときは投票には行かなかった。

 数年後、自身が投票に行った際に長男を連れて行くと、投票所内がざわついた。「あの車いすの人が投票するんじゃないか」と思われたようだ。さらに足が遠のいた。

「投票したい?」尋ねると…

 そもそも長男が通っていた学…

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この記事を書いた人
良永うめか
横浜総局|行政担当
専門・関心分野
障害福祉、地方行政
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    山下剛
    (朝日新聞横浜総局次長=医療的ケア児)
    2024年10月22日21時49分 投稿
    【視点】

    担当デスクです。私もまた、重度心身障害児の父親として、記事に登場する女性と同じように、「一票の意味」について考えています。 私の長男はまだ9歳ですが、発語はなく、言葉でコミュニケーションをとることはできません。18歳になって選挙権を得たと

    …続きを読む