金融政策と財政正常化に慎重、石破首相と植田総裁は「変節」したのか

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編集委員・原真人

 アベノミクスや異次元緩和の危うさを熟知し、かつては正常化の必要性を指摘してきた石破茂首相と植田和男日本銀行総裁。いまそれを実行できる立場にいる2人はなぜか慎重だ。動きも遅い。

 なぜ2人は早く正常な状況をめざそうとしないのか。「変節」してしまったのだろうか――。

 日銀は31日、石破政権発足のあと初めて迎えた金融政策決定会合(年8回開催、メンバーは総裁以下9人)で追加利上げを見送った。

 政策金利が0・25%というきわめて緩和的な金融環境を当面は維持する。

 日銀は3月、植田総裁のもとで11年続いた異次元緩和を転換し、マイナス金利を解除した。さらに7月の追加緩和で0・25%まで政策金利を引き上げ、久しぶりに日本を「金利のある世界」に引き戻した。

 この異次元緩和からの大転換…

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この記事を書いた人
原真人
編集委員|経済担当
専門・関心分野
金融、財政、エネルギー、経済地政学