【詳報】重大な勝負どころ、一力挑戦者が封じ手 芝野名人が逆襲
虎の逆襲か、力の進撃か――。芝野虎丸名人(24)に一力遼棋聖(27)が挑戦している第49期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局は4日、宮崎県高原町の旅館「極楽温泉匠の宿」で始まった。
芝野が防衛3連覇を目指し、一力が初の名人位を狙う今期七番勝負。第1局は白番の芝野が広大なる勢力圏を描く積極的な布石を採用したが、勇猛に単騎で駆けて分断に成功した一力が圧倒する。完勝譜とした挑戦者の先勝でシリーズは幕を開けた。
一力は第2局の後に中国へと経ち、世界一にあと1勝と迫っている国際棋戦「応氏杯」の第3~5局に臨む。本局に勝利し、ワールドチャンピオンに弾みをつけたいところだ。一方の芝野も8月30日の王座戦挑戦者決定戦で一力に勝利して井山裕太王座への挑戦権を獲得し、さらに2日の天元戦挑戦者決定戦で許家元九段を破り、一力天元に挑戦することになった。勢いに乗って1勝1敗のタイに戻したい。
対局は2日制で打たれ、持ち時間は各8時間。4日午前9時に始まり、午後5時半以降に打ち掛けとなる。5日午前9時に封じ手を開封して再開され、同日夜までに終局する見込みだ。
立会人は高尾紳路九段、記録係は青木裕孝三段と重川明司初段、朝日新聞解説は上野愛咲美女流立葵杯、YouTube解説は上野梨紗女流棋聖、大盤解説は鶴山淳志八段、大盤聞き手は安田明夏初段。朝日新聞デジタルでは七番勝負の模様をタイムラインで徹底詳報する。
1日目総括
名人が逆襲、挑戦者の封じ手は
名人が▲に打った図の局面で、白番の挑戦者は次の手を封じた。1日目、挑戦者はAIとの一致率の高さから「イッチリキ」という新たなニックネームをもらうほどの打ち回しを見せたが、名人は土俵を割らずに逆襲。局面をほぼ互角に押し戻している。
盤上を整理すると、▲が好手…
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