芸備線「世代を超え盛り上げよう」 沿線の高校生がアピール

矢代正晶

 広島と岡山を結ぶJR芸備線の将来について考えるシンポジウム「高校生サミット」が25日、三次市内であった。通学にも利用する沿線の高校生らが存続へのアイデアを出し合い、「芸備線を盛り上げよう」とのアピールを取りまとめた。

 生徒の約3割が通学に利用している三次高校では、生徒有志が「芸備線を盛り上げる会」を2年前に結成し、SNSで沿線の魅力を発信している。

 こうした動きを沿線の他校に広げようと、「盛り上げる会」や沿線出身者らでつくる「芸備線魅力創造プロジェクト」が中心となってサミットを企画。芸備線沿線を中心に、広島と岡山両県の高校生計22人が参加した。

 「盛り上げる会」代表を務める3年生の国岡大暉さん(17)は、一部区間の存廃などを話し合う「再構築協議会」が今春設置されたことに触れ、「諦めるのではなく、残すためにできることを示すチャンスにしたい」と呼びかけた。

 活性化のアイデアを話し合うトークセッションには、県内から庄原格致、西城紫水、三次青陵、ノートルダム清心など7校、岡山県から新見、共生など3校の生徒らが参加した。

 庄原市東部と三次市の間を通学の際に利用する生徒からは「いまのダイヤでは、備後庄原駅より東の駅は本数が少なすぎて部活動後の帰宅時間帯に合わない」などの声があがった。

 廃止が危ぶまれる最寄り駅を使う西城紫水高校の生徒は「芸備線がなくなると高校がなくなってしまうかも。地域も衰退してしまう」と訴えた。

 このほか、利用促進のため「沿線の食材を使ったレストラン列車を運行する」「お好み焼きを車内で焼ける列車はどうか」「収益を上げるため貨客混載にしては」などのアイデアも出た。

 「地域の皆さん、世代を超えて芸備線を盛り上げていきましょう」。サミットの最後に発表された高校生アピールは三次市、庄原市やJR西日本などに提出する予定だ。(矢代正晶)…

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