宇都宮LRTが1周年 乗客数は「好調」 地方都市のモデルになるか
宇都宮市―栃木県芳賀町の14・6キロを結ぶ次世代型路面電車(LRT)が、8月26日で開業1周年を迎える。国内では75年ぶりの路面電車の新規開業だったが、乗客は事前の予測を上回った。人口減少時代の地方都市や公共交通のあり方として全国の注目を集める中、モデルケースになれるのか。
25日にJR宇都宮駅東口で開かれた記念式典は、祝賀ムードに包まれた。「壁がいくつもあったが無事開業し、利用者は来月500万人となる見込みだ」。佐藤栄一市長はこの間の好調ぶりを振り返り、「これで終わりではない」と強調した。
開業1年の利用実績は想定を上回り、宇都宮駅東側のにぎわいは増した。運行会社によると、7月31日までの利用者は約442万人。予測より約2・5カ月早く400万人を超え、1日の利用者数も予測を上回る状況が続く。利用者アンケートによると、平日利用者の6割強が地元住民で、通勤・通学に多く利用されている。
ただ、数字上の「好調さ」は、住民への浸透に一定の時間がかかると考慮して低めに設定された1年目の利用者予測によるところも大きい。予測は国の認可を受けた「軌道運送高度化実施計画」の8割ほど。真価が問われるのは、予測の数字が約1割ずつ増えていく2年目以降だ。市は約2年後、停留場と直結するスケートボード・BMX施設を新設し、沿線の魅力向上に努める。
記者サロン「次世代型路面電車 LRTが走るまち」
LRTの将来像について、交通政策に詳しい国学院大学の高橋信行教授をゲストに迎え、朝日新聞の記者やデスクとともに海外の事例も紹介しながら一緒に考えていきます。みなさまからの質問も申し込み時のアンケートで受け付けています。
■各地の自治体が成否に注目…