東電が謝罪「二度と事故起こさぬ」 原発避難者訴訟の原告団に

西堀岳路
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 東京電力福島第一原発事故の住民避難をめぐる第3陣の損害賠償訴訟で、東電と和解した原告と、東電の追加慰謝料の支払いなどの判決が確定した原告に対し、東電が18日、謝罪した。小早川智明社長名の「二度とこうした事故を起こさぬよう安全対策を徹底する」などとした文書を原告団の代表者に渡した。

 裁判は、富岡町を中心とした相双地区の避難者162人が2017年に福島地裁いわき支部に提訴。このうち148人は、東電が追加慰謝料支払いや謝罪に応じたため、今年2月に和解。4人が取り下げ、残る10人が判決を求めた。判決は今年3月、10人に対し、計5720万円の追加慰謝料と、事故から13年分の遅延損害金を払うよう命じ、双方が控訴せず確定した。

 この日の原告団への謝罪は、和解条項にあったほか、判決を受けた原告らが要望した。

 東電は謝罪文で、「事故を防ぐべき責任を負っていたにもかかわらず、事故を起こしたことを深く反省し、二度とこうした事故を起こさぬよう安全対策を徹底する」「皆さまの帰還および、福島の復興、地域の再生に向けた取り組みを進める」などとした。

 富岡町からいわき市へ避難し、原告団事務局として謝罪文を受け取った石田孝明さん(70)は「裁判に勝っても、和解しても、除染が完了しても、ふるさとのコミュニティーは元にはもどらない。ほっとした半面、むなしさもある」と話した。

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