住民運営の「町民駅」 無人化計画から40年、まちづくりの拠点に

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坂田達郎
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■米坂線とわたし

 地元住民が運営する全国でも珍しい駅がJR米坂線にある。山形県川西町の羽前小松駅。2年前の豪雨後も列車が発着している。かつて無人化計画が浮上し、現在はNPO法人が駅の運営を担う。先頭に立つのが理事長の江本一男さん(71)だ。

 山形県米沢市と新潟県坂町を結ぶJR米坂線は、2022年の豪雨で被災し、全区間の7割超で運休が続いています。沿線に住む人たちが米坂線に寄せる思いを紹介します。

 地元川西町の置賜農業高校を卒業し、母校の実習教諭になりました。

 1982年、高校に近い羽前小松駅が、旧国鉄の業務改善で「無人駅宣告」を受けました。すると「灯(あか)りを消すなまちの駅」をスローガンに反対運動が起き、旧国鉄が町に運営を委託して「町民駅」になったのです。

 当時私は野球部の監督で、この問題をあまり意識していませんでした。

 駅の管理運営には町の財政負担もありました。しかし、町財政は厳しく、2005年に町民駅の廃止計画が浮上しました。

猫駅長「しょこら」を訪ねてくる人も

 その時、女子生徒12人が立…

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この記事を書いた人
坂田達郎
盛岡総局
専門・関心分野
地域の産業・文化、防災