日本の水、飲んでも大丈夫? 広がるPFAS問題、身体への影響は

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田村建二 小寺陽一郎 小沢邦男 ワシントン=合田禄 ベルリン=寺西和男

 全国各地の水道や河川、井戸の水から、発がん性も指摘される「PFAS(ピーファス)」と呼ばれる化学物質が検出されている。PFASとはどんな物質か。なぜここまで広がっているのか。健康にどんな影響が考えられ、国はどんな対策を進めようとしているのか。

 PFASとは、炭素とフッ素が結びついた「有機フッ素化合物」の総称だ。人工的につくられてたくさんの種類があり、物質数は4730、定義によっては1万以上あるともいわれる。「ペルフルオロオクタンスルホン酸」(PFOS=ピーフォス)と「ペルフルオロオクタン酸」(PFOA=ピーフォア)がその代表だ。最近では「ペルフルオロヘキサンスルホン酸」(PFHxS)など、ほかの物質も健康影響が指摘されている。

 水や油をはじくといった便利な性質があり、フライパンのコーティングや衣類の防水加工、ハンバーガーの包装紙、泡消火剤など、さまざまな用途で使われてきた。

 ただ、化学的に安定しているだけに自然界でほとんど分解されず、生きものの体内に蓄積されやすいため、人の健康に影響が及ぶことが心配されている。

子どもの出生体重低下、「発がん性」指摘も

 これまでの研究で主に指摘されているのは、肝機能の低下や血清総コレステロール値の上昇、生まれた子どもの体重低下などだ。国際がん研究機関(IARC)は2023年、PFOAについて「発がん性がある」、PFOSについて「発がん性がある可能性がある」との判定を示した。

「PFAS」が、全国各地の水道や河川から検出されています。環境省の22年度調査では、16都府県でPFOSとPFOAの合計が目標値を超える地点がありました。今後、日本の水は安心して飲めるのでしょうか。

 一方、内閣府の食品安全委員…

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PFAS問題

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