稼げる書店へ、本の流通改革 売れ行き予測して仕入れ、返品減らす
井東礁
ネットに押されて本の売り上げが減り、出版業界の厳しさが増す中、大手書店が主導して流通改革に乗り出した。これまでは、書店は売れ残った本を一定期間内なら自由に返品できる仕組みが基本だった。それをあらため、書店側が「売れる本」を見極めて仕入れ、返品を減らすことで、業界全体の利益を増やすことをめざす。
紀伊国屋書店と、蔦屋書店などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、出版取次大手の日本出版販売(日販)の3社は、合弁会社「ブックセラーズ&カンパニー」を設立。今年3月に出版流通改革に向けた事業を始めた。
「売れなければ返品できるという構図に甘んじ、大きな改革を行ってこなかったことが問題として顕在化している。書店を取り巻く課題を書店自ら指導する形で解決していきたい」。合弁会社の顧問を務める紀伊国屋の藤則幸男社長は7月24日、事業に参加する書店を募るためのオンライン説明会でそう力説した。
現在の本の流通は、出版社が…
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