フランス、アタル首相が辞任 新首相指名の見通し立たず政局は混迷
フランス大統領府は16日、マクロン大統領がアタル首相の辞表を受理し、同日付で内閣が総辞職したと発表した。国民議会(下院)選挙の敗北の責任を取った形だが、マクロン氏が後任の首相を指名する見通しは立っておらず、26日に開幕するパリ五輪を前に政局の混迷が深まっている。
アタル内閣は辞職後も新首相が指名されるまで職務を続ける。ただ、暫定内閣となるため、権限は政府の日常的な運営にかかわる最低限の業務に限られる。新たな法案の提出などはできず、内政の停滞は避けられそうにない。アタル氏はインタビューで、暫定内閣が数週間は続くとの見通しをマクロン氏から伝えられたと明かした。
仏紙ルモンドの集計によると、7日の下院選の決選投票では、左派連合「新人民戦線(NFP)」がトップの182議席を獲得。与党連合は168議席の2番手に終わった。極右の流れをくむ右翼政党「国民連合(RN)」と共闘勢力が3番手の143議席を得て下院は三つどもえの状態になっており、いずれの勢力も過半数の289議席に届かない。
フランスでは、大統領が下院の最大会派の意向を踏まえて内政を担当する首相を指名する。しかし、NFP内では最大勢力である左翼「不服従のフランス(LFI)」と2番手の社会党が主導権をめぐって対立。マクロン氏に左派から首相の指名を求める一方、選挙から10日近くが過ぎてもNFPとして統一した首相候補を提案できていない。
アタル氏は決選投票翌日の8…
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