私は何%「日本人」? DNA上の見知らぬ親族へ 岡田育さんコラム
二十一世紀も四半を過ぎつつあるのに、ジェノサイドという言葉がふたたび日常会話に頻出するようになった。特定の集団、その民族を文化を破壊する無差別殺人が繰り返され、歴史の教科書で習った同じ愚行が今なお続く。報道に目を覆いながらスマホを開くと、遺伝子検査会社「23andMe」から新規通知が届いていた。
疾病リスクを把握したくて十年ほど前に唾液(だえき)サンプルを送ったのだが、今は「祖先の追跡」が面白い。預けたDNA情報が世界中の参加者と比較され、類似の遺伝的特性を持つ集団に割り当てられていく。ハプログループというしるしを辿(たど)れば私の母方の起源は約十八万年前のアフリカ東部までさかのぼれる。その血筋がシベリアを経由して日本列島へ至った軌跡までわかる。途中でネアンデルタール人の血も少し混じり、そこから「方向感覚に劣る」特性を継承したことまで刻まれている。
私の祖先構成比は「48%日…
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