第8回運行再開しても1日3本の只見線 なお続く地域生き残りの危機感

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 警笛を短くならして、1両のディーゼルカーがJR只見駅(福島県只見町)をゆっくりと出発していく。駅前旅館のおかみ、目黒ゆかりさん(57)が「只見線全線運転再開」と書かれた小旗を列車に向かって大きく振った。朝に2回、夕方に1回、只見線で町を訪れた人を見送るのが日課だ。

 「『只見線にみんなで手を振ろう条例』があるんですよ」と、町の交流推進課長、目黒康弘さん(52)。「乗客におもてなしの心を示し、只見線への愛着を強める」という趣旨で、只見線沿線の各市町村に同様の条例があるという。

 只見町がこの条例を制定したのは2014年。このとき、只見線は途中が寸断された状態で、復旧がいつになるかの見通しもついていなかった。

地方路線を中心に今後の鉄道網のあり方を模索するため取材を重ねた連載「分岐点」。記者たちはその過程で、各地のローカル線の現場を訪ね、関係者に話を聞きました。本編には盛り込み切れなかったそれぞれの鉄道の話を紹介します。

 只見線は福島県の会津若松と…

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