尾辻参院議長が引退へ 「体力、年齢考え判断」 来夏選挙立候補せず

鈴木春香

 参院議長の尾辻秀久氏(83)=鹿児島選挙区=が改選を迎える来夏の参院選には立候補せず、政界を引退することが分かった。

 同氏の事務所は「体力や年齢を考えて、さらに6年間、これまでのように活動するのは難しいと判断した」としている。

 尾辻氏は1940年生まれ。鹿児島県議を経て89年の参院選で自民党公認で初当選し、6期目。小泉政権だった2004年、厚生労働相として初入閣した。現在の茂木派に所属し、党参院トップの参院議員会長や参院副議長などを歴任した。22年8月、議長に就き、自民会派を離れた。

 幼い頃に父親をソロモン諸島海域で亡くした戦没者遺児で、日本遺族会の会長を務め、遺骨収集などに長年、尽力してきた。50年代のドミニカ共和国への移民政策が移住者に困窮を強いた問題にも取り組んだ。社会保障政策にも力を注ぎ、06年のがん対策基本法成立などに奔走した。

 事務所によると、来夏の参院選に向け、党による後継候補の準備などに時間が必要と判断し、選挙まで1年となるこのタイミングで引退を決めたという。参院議員としての任期満了となる来年7月まで議長は続ける。(鈴木春香)…

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    太田匡彦
    (朝日新聞記者=ペット、動物)
    2024年7月10日10時8分 投稿
    【視点】

    尾辻さんは超党派の「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」の会長も長く務めた。2019年の動物愛護法改正にあたっては、先頭に立って各党との意見調整に尽力していた。「8週齢規制」や数値規制を盛り込んだ「飼養管理基準省令」は、尾辻さんの存在

    …続きを読む