「いきなり職権では…」自民幹部ため息 総裁選を前に改憲を焦る首相

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小木雄太 西村圭史 大久保貴裕

 憲法改正をめぐり国会での対立が深まっている。衆院憲法審査会の森英介会長(自民党)は幹事懇談会の28日開催を職権で決定。立憲民主党などは強引な進め方だとして反発し、結果的に懇談会は開かれなかった。岸田文雄首相が意欲を見せる閉会中での改憲論議は困難な情勢だ。

 自民の中谷元・与党筆頭幹事は28日、「各党そろって議論したかった。欠席したのは非常に残念」と記者団に語った。立憲と共産党が欠席したため、集まった自民、公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会の5会派はその場で意見交換会を開催。自民は「緊急事態条項」創設の論点を整理した素案を提示し、各会派は持ち帰って検討することとなった。

 こうした動きに対し、立憲の泉健太代表は会見で「こんなめちゃくちゃな進め方をしたら、憲法改正はより遅れる。自滅行為だ」と強く反発。逆に議論の停滞を招く事態となり、自民幹部も「いきなり職権では閉会中審査の開催はより困難になる」とため息を漏らす。

 総裁任期中の改憲を繰り返し訴えてきた首相だが、裏金事件で自民が強い批判を浴びていたこともあり、通常国会中の改正原案提出はかなわなかった。空回りする自民党の動きは、そんな首相の焦りを色濃く映し出している。

 「国会が閉じても憲法改正は…

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この記事を書いた人
小木雄太
政治部
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国内政治、外交