パートナー制度の自治体連携進まず 知事「ご不便あるのはその通り」
性的少数者のカップルに公的な証明書を発行する「パートナーシップ宣誓制度」を香川県内の全17市町が導入してから約1年2カ月。現行の仕組みでは、当事者が県内の自治体間で引っ越しをすると、証明書を返納したり、新たに受け取ったりしなければならない課題が指摘されていたが、依然として解決していない。
市町の制度導入や、昨年6月のLGBT理解増進法の施行などを背景に、県は昨年10月からパートナーシップを宣誓したカップルを、婚姻関係に相当すると認める「県パートナーシップ制度」を始めた。
制度によって、宣誓者は、夫婦要件のある県営住宅へ入居が可能になった。また、引っ越し時の手続き簡素化については、県が「市町間の連絡調整に努める」と打ち出された。
しかし、自治体間の連携の開始は不透明だ。県によると、昨年12月と今年3月に市町の担当者を集めて打ち合わせをしたが、いまだに具体的な目標時期を定めておらず、見通しも立っていない。
現状について、池田豊人知事は17日の記者会見で、「(当事者らに)ご不便があるのはその通りで、できるだけ早く市町の連携を促したい」と述べた。
一方、公的な証明書を発行するのは市町であり、「県のほうで(連携開始の)期限を切るというのは、現時点では考えていない」とも話した。
性的少数者の権利保障に取り組む三豊市の佐藤倫子弁護士は、県がパートナーシップ制度の要綱の中で、宣誓者を「婚姻関係にある者に相当するものとして取り扱う」と定めていることを指摘した上で、「はたして、県は施策を始めるにあたって、要綱に基づく検討をしているのか。既存の制度でさらに適用できるものがないかも含めて、より積極的に制度を動かしていく必要があるのではないか」と話した。
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