大学生製作の超小型衛星は生きていた 1週間後に宇宙から届いた吉報

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本田大次郎

 国際宇宙ステーション(ISS)から放出された超小型衛星は、ウンともスンとも言わない。ただ、地球の周りを回っていた。

 「信号を受信できない」

 製作した千葉工業大学(千葉県習志野市)の学生たちは焦りを募らせていた。

 そこへ、オランダから吉報が届いた。

 「受信」

 発出から7日目。衛星がゆっくりと、目を覚ました。

1辺10センチの立方体

 同大惑星探査研究センターの学生チーム「GARDENs(ガーデンズ)」が作った超小型衛星「KASHIWA」。

 1辺10センチの立方体で、重さは1キロ。同大が取り組む宇宙産業の高度技術者育成プログラムの一環として、最初に宇宙に飛び出した衛星だった。

 2022年1月から当時の大学2年生約10人が開発を始めた。今年3月、アメリカから民間ロケットでISSへ。そして、4月11日午後7時35分、宇宙空間へ放出された。

 KASHIWAは地球を約90分で1周する。学生たちは、信号を受信するための地上局を大学内に開設した。最初に大学上空を通過するのは、翌朝午前6時台。しかし、衛星が発するはずの信号は、聞こえなかった。

 この日はさらに3回、大学上空を通過。衛星に向かって、地上局側からも信号を送ったが、反応はなかった。

 次の日も、そして次の日も。

 何が原因なのか。バッテリーか。発信器か。地上局側か。自分が担当したパーツなのか?

オランダからの知らせに喜びの声

 半数のメンバーは今春から同…

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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2024年6月21日17時59分 投稿
    【視点】

    学生時代に人工衛星の開発から打ち上げ、さらにはISSでの放出まで、素晴らしい経験ですね!日本の宇宙業界は、ぜひこうした優秀な人材をどんどん迎え入れるべきですが、以前ある大学ロケット部の学生に話を聞いた際に「日本では就職先がないので(学生時代

    …続きを読む
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2024年6月22日8時24分 投稿
    【視点】

     国際宇宙ステーションにはロシアも加わっています。ロシア・ウクライナ戦争が継続する中でも日ロの宇宙協力は続いています。政治的な対立を超えた高度な専門家たちは、国籍に関係なく若い世代の専門家の育成を真剣に考え、応援しています。それが形になっ

    …続きを読む