「2歳児が泣き出した。首から血が」と通報 こども園で殺人未遂容疑

加治隼人 小川裕介
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 鹿児島市内の認定こども園で男児の首を切りつけたとして、保育士(21)が8日未明、殺人未遂の疑いで鹿児島県警に逮捕された。当時の状況が、複数の関係者への取材で明らかになってきた。

 「2歳の男の子が突然泣き出した。確認したら、首から血が流れていた」

 7日午前11時ごろ、鹿児島市内の認定こども園関係者が119番通報した。救急隊が駆けつけたころには、床にあおむけの状態で寝かされた男児の首を「圧迫止血」していた。圧迫止血は、傷口をガーゼやハンカチなどで直接強くおさえる一般的な救急法で、保育現場では緊急時に用いられる。

 男児の意識はあり、すぐに救急車で鹿児島市内の高度な救急対応ができる病院へ運ばれた。県警によると、男児は全治1カ月のけがで命に別条はないという。

 複数の関係者によると、当時現場にいた人らは「何が起きたのか、状況が分からない」といった反応だったという。男児の周囲に別の保育士らもいたが、負傷する瞬間を見た人はいなかった。当初は、事故の可能性も考えられたという。

 県警が園職員らから事情を聴き、捜査を進めたところ、保育士の笹山なつき容疑者(21)=鹿児島県南九州市=の関与が浮かんだ。鹿児島南署への任意同行を求め、8日午前1時ごろ、殺人未遂の疑いで逮捕した。逮捕容疑は、7日午前11時ごろ、認定こども園内で、男児の首付近を刃物のようなもので切りつけ、殺害しようとしたというもの。

 笹山容疑者は取り調べに対し、「けがを負わせたことは間違いないが、殺すつもりはなかった」と話したという。県警は動機などを引き続き慎重に調べている。

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この記事を書いた人
小川裕介
西部報道センター|事件キャップ
専門・関心分野
核・原子力、感染症、調査報道