東武鉄道のSL復活計画 手を差し伸べた全国の鉄道事業者

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細沢礼輝

現場へ! 走れSL④

 日光・鬼怒川エリアの玄関口となる東武鉄道下今市駅(栃木県日光市)。夕方過ぎに同駅に戻った「SL大樹」には、1日を締めくくる「見せ場」が待っている。機関庫前での方向転換だ。

 客車を切り離してからバックで転車台に乗り入れ、5分ほどかけて半回転する。転車台を囲んだ見物客は黒光りする巨体が目の前に迫る様子を熱心にスマホに収めていた。

 東武鉄道が大手私鉄で初となるSL復活計画を発表したのは2015年8月。下今市駅構内で旧転車台の遺構が発見されたのもきっかけとなった。同社はかつて60両ものSLを保有して「蒸機王国」と呼ばれていた歴史があり、「東武にしかできないプロジェクト」として打ち出された。

 だが、同社のSL最終運行は1966年。ほぼ半世紀が経ち、社内に運転や保守などのノウハウは残っていなかった。手を差し伸べたのは、全国でSLを走らせ続ける鉄道事業者たちだった。

 機関車は、JR北海道が保有…

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この記事を書いた人
細沢礼輝
東京社会部|鉄道担当
専門・関心分野
鉄道を中心とした運輸部門