SL「冬の湿原号」 コロナ禍の窮地は地元客が救った

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細沢礼輝
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現場へ! 走れSL③

 3月中旬、まだ雪の残る釧路駅3番線。午前10時半過ぎ、高い汽笛とともに「SL冬の湿原号」が姿を現した。黒煙を噴き上げながら入線した「C11形171号」はたちまち人だかりに包まれ、出発までの30分間、記念撮影の列が途絶えることはなかった。

 湿原号はJR北海道が冬季限定で釧路―標茶(しべちゃ)駅間を走らせている。客車にはだるまストーブが据え付けられ、あぶったするめの香りが鼻をくすぐる。北の大地を駆ける勇壮な姿をカメラに収めようと、線路沿いには多くのファンが三脚を立てて待ち受ける。

 明治期の開拓時代からSLは石炭や木材の運搬に北海道を駆け回った。1975年に最終定期列車が運行を終えた「終焉(しゅうえん)の地」でもある。

 40年製造の171号も現役…

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この記事を書いた人
細沢礼輝
東京社会部|鉄道担当
専門・関心分野
鉄道を中心とした運輸部門