高齢者のペット飼育をサポートする取り組みが徐々に広まっています。高齢者がペットと暮らすことを諦めずに済み、同時に動物たちも幸せな生をまっとうできる社会を実現するために、必要なことは何でしょうか。新潟の市民グループが取り組む、支援の実例を紹介します。
高齢者とペット⑤ 太田匡彦記者が考える
三浦真美さん(59)は今年の冬も、新潟市内に住む80代の女性の家に通った。一人暮らしの女性が飼う7歳のシバイヌ虎助(こすけ)を、朝晩散歩に連れ出すためだ。
新潟の冬は寒い。歩道が凍結すると、力の強い犬の散歩を高齢者がするのは危険が伴うようになる。女性も数年前に何度か転倒し、2度ほど骨折もした。そこで昨年から、三浦さんが代表を務める市民グループ「どうぶつがかり」に冬の間、散歩を依頼するようになった。女性はこう話す。
「前の犬を失ったあと、年齢を考えて、もう犬を飼うのは諦めていました。ところが夫が『すべて自分が面倒を見る』と言うので、虎助を迎えました。飼い始めて3年目に、その夫が他界し、私ひとりでは冬場の散歩が難しくなったところを、三浦さんたちに助けてもらいました。虎助には、できれば私より少しだけ先に旅立ってほしいと思っていますが、私に万一のことがないとは言えない。その時のことも、三浦さんたちにお願いしてあります」
増える高齢者からの相談
2015年に設立されたどう…
- 太田匡彦
- 文化部
- 専門・関心分野
- ペット、動物、アニマルウェルフェア
- 【視点】
ペット飼育のサポートと同時に、飼い主である高齢者も見守る。この観点はとても重要だと感じました。 独居の高齢者は孤立しがちです。ペットの世話が困難になっているということは、ほかにも様々な生活上の悩みや不安を抱えている可能性が高いのですが、
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