ウクライナ軍包囲を狙うロシア ハルキウ攻撃の意図は 元陸将の分析
ロシアの侵攻を受けるウクライナの軍が、東部戦線で厳しい戦いを強いられています。米国による追加支援が本格化するのは夏ごろとみられています。陸上自衛隊中部方面総監を務めた山下裕貴・千葉科学大客員教授は、ロシア軍が定石通りの包囲戦を展開していると分析したうえで、ウクライナ軍が持ちこたえられない場合、首都キーウを含む地域に危機が及ぶ可能性すらあると指摘します。
――現在の戦況はどうなっていますか。
中南部ザポリージャ州と南部ヘルソン州を巡る南部戦線は小康状態ですが、ロシア軍が東部戦線で激しくウクライナ軍を攻め立てています。ロシア軍はすでに東部戦線でルハンスク州の大半を占領し、ドネツク州の完全占領をもくろんでいます。
ロシア軍は現在、すでに占領した(ドネツク州の交通の要所)バフムートから西方のチャシブヤールとコンスタンチノフカに向けて攻め立てると同時に、バフムートから南に離れた占領地のアウジーイウカから西方のオチェレティネに向けて攻撃を続けています。
バフムート西方のロシア軍が目標を占領すれば、そのまま戦略的要衝のクラマトルスクやスラビャンスクに進むでしょう。アウジーイウカ西方のロシア軍も目標を占領次第、さらに西にあるポクロウシク経由でクラマトルスクやスラビャンスクに向かうとみています。
――ロシア軍はなぜ二手に分…
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