セクシー田中さん、日テレ調査の課題 「原作者批判と読める箇所も」
ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが亡くなった問題で、日本テレビが31日、調査報告書を公表した。テレビ東京で長くドラマ制作に携わり、今回の調査でヒアリングを受けたという、桜美林大の田淵俊彦教授(テレビメディア論)に、報告書の評価を聞いた。
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――報告書をどうみるか。
各方面に丹念に話を聞き、社内だけではなく外部にも意見を求めている点は良い。ドラマの企画決定を放送の1年~1年半前にするべきだとか、スタッフの増員をすることなど、具体的な提言がなされていることも評価したい。
ただ、この提言は日本テレビというパワーのある局だから実現できること。現実にはテレビ東京やローカル局といった、パワーのない局もドラマを作っている。ドラマ制作現場のスタンダードになるかというと、難しい。
――原作の改変をめぐる認識の「齟齬(そご)」が生まれた経緯が詳細につづられていたが、どうみたか。
言葉遣いには気を使ってはいるものの、芦原さんや小学館の認識が途中で変わったように記述するなど、原作者側を批判しているように受け取れる箇所が目立つ。第三者委員会による調査ではなく社内調査という形をとったことで、公平性・公正性が欠けてしまったように見えてしまう。
小学館側への聞き取りも不十分だ。原作者である芦原さんに、日テレとの話し合いについての情報がどれほど伝わっていたかが分からない。本来は、そこまで調査解明するべきだったのではないか。
提言に懸念も
――「齟齬」を生まないため…
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- 【提案】
田淵俊彦さんの意見は、現場にいた経験もあってとても参考になることが多いです。著書も興味深く拝読しました。 調査報告書には、事前に「相談書」を提示してブラッシュアップしていくなどの提言がありますが、それに対し「現場の『枷(かせ)』になる可能
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